2011/07/09

GPSチップアンテナの実験II

前回の記事の続きです。

前回は基板を作るところまででしたが、今回はアンテナを乗せて測定した結果について書きます。

測定結果を示す前に、データシート(PDF)について少し補足があります。
このチップアンテナのデータシートでは、チップの端子のうちひとつはFeeding Point、もうひとつはNCとなっています。
しかし、2つの端子の間の抵抗を測定してみると1Ω程度で、NCは「内部とつながっていない」という意味では使われていないようです。
そのため、固定のために用意するパッドの大きさによってはアンテナの特性が変わってしまうことが予想できます。
(逆にこれを利用してアンテナの特性を合わせ込むのに使えるかもしれません)

下の図にアンテナのセットアップ、リターンロスの測定結果を示します。

アンテナのセットアップ。(a)垂直に立てたもの。(b)NC端子を絶縁したもの。(c)NC端子をはんだ付けしたもの(d)NC端子用のパッドを取り除いたもの
リターンロスの測定結果。垂直に入る点線はGPS周波数
リターンロスのスミスチャート。共振周波数にマーカーをつけた

セットアップ(a)では、アンテナを基板上に垂直に立て、基板の誘電率の影響を極力受けない状態で、アンテナの生に近い特性を調べました。
このアンテナは基板上に取り付けた場合にGPS周波数に合うようになっているので、このセットアップでは電気長が足りず、GPS周波数より高いところに共振点があります。

セットアップ(b)では、NC端子とパッドをカプトンテープ絶縁した状態で測定を行いました。
このときの共振周波数は1.545GHzでGPS周波数に近い値になっています。
また、GPS周波数でのリターンロスも10dB程度あり、データシートにある9.5dBと同程度の値が得られています。

セットアップ(c)では、データシート通りにNC端子を固定用パッドに接続し測定を行いました。
このときの共振周波数は1.46GHzでGPS周波数からかなりずれてしまっています。
NC端子にパッドを接続することによりアンテナの電気長が伸び、低い側に共振周波数がずれたと予想できますが、これがデータシート通りの使い方なので、基板の誘電率や設計に何か問題があるのかもしれません。

セットアップ(d)ではNC端子用のパッドをはがして測定を行いました。
このときの共振周波数は1.565GHzで、これまでのセットアップ中最もGPS周波数に近い値になっています。
また、GPS周波数でのリターンロスも20dB程度と、データシートの値を大きく上回っています。
スミスチャートを見ると、共振周波数でのインピーダンスはほぼ50Ωになっており、受信した電力を効率よくGPSモジュールに送り込めることもわかります。

以上の結果から、1.6mm厚のガラスエポキシ基板上にアンテナを乗せた場合、NC端子を接続しない(b)と(d)のセットアップでうまくGPSアンテナとして働くことが期待できます。
次は最も性能の高いと期待できるセットアップ(d)のアンテナをGPSモジュールに接続し、実際にアンテナとして使えるかどうかを確かめてみようと思います。

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