2012/02/09

GPS用Wilkinson Couplerの測定

以前シミュレーションを行ったGPS用Wilkinson Coupler基板が届いたので特性を測ってみました。
コネクタ・抵抗・コンデンサを取り付けケースに入れたWilkinson Coupler基板
レジストのネガポジがどこかで反転してしまったので、ハンダがのる部分のレジストはスクレーパで削り落としています。

測定結果に移る前に使用した部品のリストを書いておきます。
かっこ内は購入先です。
  • 入出力コネクタ:MCX・エッジマウントタイプ(DigiKey)
  • 抵抗:進工業 RR0816P-101-D 100Ω, 1/16W, 1608(RS)
  • コンデンサ:muRrata GRM1882C1H100JA01? 10pF, 50V, 1608(千石電商)
  • ケース:タカチ MB-S1(マルツ)
コンデンサは自己共振周波数以上ではインピーダンス特性がインダクタンス的になってしまうので、あらかじめメーカの設計支援サイトSimSurfingで特性を調べて使えそうなことを確認しておきました。
抵抗はあまりに誤差が大きくない限り使えると思います。

測定は2ポートのネットワークアナライザで行いました。
ネットワークアナライザにつながないポートは、ターミネータで終端させています。
自作のMCX用校正キットを使った校正しか行っていないので、結果には透過・反射強度で±1dB程度の誤差は含まれている思います。

以下の結果では、ポート1をアンテナ入力、ポート2をDC透過の受信機出力、ポート3をDCカットの受信機出力としました。

透過・反射特性は以下のようになりました。
シミュレーション結果と測定した透過スペクトル・VSWRの比較
アンテナから受信機への透過は-3.4dB程度とシミュレーションとほぼ同等の値で、使用する帯域内ではほぼフラットな特性が得られています。
また、受信機間の透過は設計より大きな値を示していますが、使用する帯域内で-15dB以下とおおむね期待した性能が出ています。
VSWRは帯域全体で1.5以下、主に使用するであろうL1帯では1.2以下が得られていて、シミュレーションよりは大きな値ですが、十分実用に耐えうる値が出ています。

透過特性から2つの受信機ポートのバランス等、いくつかのパラメータを引き出してプロットしたのが下の図です。
シミュレーション結果と測定した挿入損失・ポート間バランスの比較
このあたりのパラメータは設計時にもあまり意識していなかったこともあり、そもそもシミュレーションの時点からあまりよい値を示していません。
左右のポートの透過強度・位相の差はデザインの対称性を崩すDCカット用に挿入したコンデンサとパターンのテーパ部によるものなので、そのあたりのパターンの修正でもっとよい値が得られるのではないかと思います。

さらに、きちんとDC透過・カットができているかを確認するために、テスタによる抵抗測定に加え、低周波側の透過スペクトルの測定も行いました。
低周波側の透過・反射スペクトル
期待した通り、測定できる最低周波数の9kHzでは、DC透過ポートではほぼ0dBの、DCカットポートでは-45dB以下の透過が得られていて、きちんとDC透過・カットが行えていることが確認できます。

以上の結果から、あまり性能にシビアではない用途には十分使えるWilkinson Couplerができたと言えます。
しかし、市販のGPS用スプリッタと比較すると、そもそもシミュレーション段階から特性が劣っています。
このあたりは設計のノウハウ不足が原因なのでしょうが、挿入損失がシミュレーション段階から0.4dB程度あるなど、マイクロ波回路に向いているとは言えないFR-4基板を使ったことからくる限界もあるのだと思います。

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