第36回鳥人間コンテスト

2013/08/14

運用

第36回鳥人間コンテストが終わりました。

作製した電装系は特にトラブルなく動き、搭載したすべてのセンサのデータを回収できました。
データの公開は9月4日の放映後にするとして、ここでは備忘録と反省を兼ねて搭載した計器の概要をまとめておきます。

1. 回転数計
クランク側、プロペラ側に光学式のものを1つずつ取り付けた。
クランク側のものは時折日光で誤動作したが、表示はプロペラ側のもので行っていたので問題なし。

2. 対気速度計
風車式、ピトー管式を併用。
ピトー管のほうが応答が早いという差が見られるものの両者でほぼ同じ値を示した。

3. 高度計
対地高度(超音波式)、気圧高度(圧力センサ)、ジオイド高度(GPS)を取得。
使用した超音波距離計MB1360は水面を相手にしてもスペック通りの10.68mまで計測が可能だった。
計測値がデータシートの上限値10.68mに張り付いていた部分があることから考えると、センサ自体のポテンシャルはさらに高いものと推測される。

4. 操舵角計
ポテンションメータを使用。
ラダーのセンサは操舵ワイヤとの干渉でコネクタが抜けることあり。

5. AHRS
TinyFeatherの9軸センサ+GPS、ディスプレイ部の9軸センサ+GPSを使用。
ディスプレイ部のものはペダリングの振動を拾うので翼胴接合部付近に取り付けたTinyFeatherのデータを主に使用。

6. GPS
TinyFeather側、ディスプレイ側の2系統を使用。
両者で搬送波位相等の生データを取得。
フェアリング内に取り付けたアンテナはSNRが悪くなる傾向あり。
電源電圧低下した場合に起動しないなどのトラブルが出やすいので電池の残量には注意。

7. ディスプレイ
表示項目は以下の通り(写真を参照)。
・回転数(上数字)
・対気速度(円型バーグラフ)
・対地高度(下数字)
・ピッチ角(縦型インジケータ左)
・エレベータ切れ角(縦型インジケータ右)
・計器ステータス
その他にも磁気方位の搭載の要請あり。



操舵角計を除いてセンサは2重化されているので、値の妥当性の評価や1系統のセンサが不調な場合のバックアップに使えます。

新しい機体(?)のロールアウトにはしばらく時間がかかると思うので、今回使用したシステムの良い部分を継承しつつシステム全体を刷新する予定です。