2012/02/05

対気速度計の校正2

大変遅くなりましたが前回の続きです。
今回は気速計の向きをサーボで変えながら測定した結果です。
試験の様子は下のビデオのようになります。



動特性の測定
10m/s程度に風速を固定し、気速計の向きをサーボで急激に変えることで動特性の測定を行いました。
測定結果は下の図のようになります。

サーボを使って気速計の向きを変えながら測定した気速計のカウント値。鋭い立ち上がりのデータを動特性の解析に、ゆっくりした立ち上がりのデータを迎え角依存の解析に使った。
最も鋭い立ち上がりを得られた12秒付近を拡大したもの
この図から、赤線のサーボ入力に対して、青線の気速計カウント値が立ち上がりでは0.2秒ほど遅れて反応していることがわかります。
サーボが動く時間(90°で0.15-0.45秒程度)の時間遅れを考えると、カウント値は風速に0.1秒以内で追従していると考えられます。
また、カウント値の上昇側と下降側では反応の遅れに違いがあり、下降側の反応が若干遅いことも見て取れます。
この結果は、
横井 信太郎, 風向風速計センサの特性比較, 気象大学校卒業論文 (1997)
で解析されている気象用の風速計と同じ傾向です。
今回の実験では対気速度を10spsで取得しましたが、サーボの応答遅れを考えればこの程度のサンプリング周期では測定値に実際の風速に対する遅れは見えず、ほぼ追従しているものと考えてよさそうです。

迎え角依存の測定
次にゆっくりサーボを動かし、迎え角に対してカウント値がどのように変化するかを測定してみました。
下の図が結果です。

気速計のカウント値の迎え角依存。実線は正弦曲線によるフィット
何度か角度のスイープを繰り返した中で最もきれいな結果を載せましたが、サーボの応答遅れに起因するヒステリシスが出ています。
期待していたのは風速のcos成分を拾う結果でしたが、カウント値が最大を示すのは-15°程度であり、迎え角に関して対称な結果になっていません。
測定の様子のビデオからわかる通り、今回の実験では気速計の向きをピッチ方向に変えていて、角度によってはサーボとの距離がかなり小さくなってしまっています。
そのため、この結果はサーボや気速計を設置している台による乱れの影響を含めたものなのだと思います。
迎え角依存性を明確にするためには、条件を整えた上で再実験の必要がありそうです。

実験の問題点
測定結果の項にも書きましたが、動特性・迎え角依存の測定には以下のような問題点がありました。
  1. 気速計の角度を直接測定しておらず、サーボの応答遅れを含めた結果である
  2. それに対応して、迎え角依存にヒステリシスがある
  3. 気速計とサーボ等の距離が近く、干渉の可能性がある
これらに対して、
  1. サーボ内部の可変抵抗から電圧測定用の端子を引き出し、サーボの切れ角を直接測定する
  2. 迎え角依存の測定では、様々な角度に対して十分な時間をかけてカウント値を取得するような測定プログラムを作る
  3. 気速計のアームを長くする/ヨー方向に気速計を動かす
等の対処が考えられます。
もう一度風洞試験を行なう機会があれば、これらの点に注意を払って追試を行ないたいところです。

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