2台の異なるGPS受信機の比較をしてみたくなったので、分配器について考えてみました。
市販されている分配器は、高価で海外から取り寄せる必要があるなど購入しにくかったり、小型の受信機に多いMCX/MMCXコネクタタイプが少なく使い勝手があまりよくなかったりします。
そこで、GPSで使う周波数帯で性能が発揮できればよいという条件で、マイクロ波分配器Wilkinson Couplerを設計・シミュレーションしました。
できるだけ安くプリント基板を作りたいので、コンパクトにまとめるというのも制約条件です。
Wilkinson CouplerについてはI-Laboratoryに詳しい情報があります。
今回は小型なものを作りたいので、できるだけ使うストリップラインが短いものを選択しました。
同じくI-laboratoryにあるストリップラインのインピーダンス計算機を使い、線路幅、線路長を決め、できるだけ小さな領域に入るように配置して設計は終わりです。
シミュレーションはモーメント法マイクロ波シミュレータSonnetを使って行ないました。
シミュレーションに使ったモデルは下図のようになります。
基板を発注することを想定して、誘電体はFR-4、伝導体は35um厚の銅箔に設定しています。
また、抵抗・コンデンサのモデルには理想素子を使っています。
無料版には計算に使うメモリが32MByteまでという制限があるので、メッシュは0.4mmピッチが限界でした。
左がGPSアンテナをつなぐポート、右の2つがGPS受信機をつなぐポートです。
GPSアンテナの電源はアンテナ線に重畳して供給されるため、2台の受信機をそのままつなぐと不具合が生じる可能性があります。
そのため、右下のポートにはDCカット用のコンデンサも入れてあります。
下図がシミュレーションの結果です。
GPSで使う周波数帯は大体1.2 - 1.6GHzの範囲にありますが、その全域でVSWRは1.5以下となっています。
また、S12(=S21~S13=S31)から入力した信号の半分(-3dB)ずつが出力ポートに伝わり、S23(=S32)から出力ポート同士の結合は-15dB以下と小さいことがわかります。
シミュレーション上では十分な性能が発揮できそうなことがわかったので、設計データをガーバに落とし、基板を発注してみようと思います。
12/31 スミスチャートを追加しました。
市販されている分配器は、高価で海外から取り寄せる必要があるなど購入しにくかったり、小型の受信機に多いMCX/MMCXコネクタタイプが少なく使い勝手があまりよくなかったりします。
そこで、GPSで使う周波数帯で性能が発揮できればよいという条件で、マイクロ波分配器Wilkinson Couplerを設計・シミュレーションしました。
できるだけ安くプリント基板を作りたいので、コンパクトにまとめるというのも制約条件です。
Wilkinson CouplerについてはI-Laboratoryに詳しい情報があります。
今回は小型なものを作りたいので、できるだけ使うストリップラインが短いものを選択しました。
同じくI-laboratoryにあるストリップラインのインピーダンス計算機を使い、線路幅、線路長を決め、できるだけ小さな領域に入るように配置して設計は終わりです。
シミュレーションはモーメント法マイクロ波シミュレータSonnetを使って行ないました。
シミュレーションに使ったモデルは下図のようになります。
35mm x 35mmの領域に配置したシミュレーションモデル |
また、抵抗・コンデンサのモデルには理想素子を使っています。
無料版には計算に使うメモリが32MByteまでという制限があるので、メッシュは0.4mmピッチが限界でした。
左がGPSアンテナをつなぐポート、右の2つがGPS受信機をつなぐポートです。
GPSアンテナの電源はアンテナ線に重畳して供給されるため、2台の受信機をそのままつなぐと不具合が生じる可能性があります。
そのため、右下のポートにはDCカット用のコンデンサも入れてあります。
下図がシミュレーションの結果です。
ポート間の透過率(左軸)とVSWR(右軸) |
Sパラメータのスミスチャートプロット |
また、S12(=S21~S13=S31)から入力した信号の半分(-3dB)ずつが出力ポートに伝わり、S23(=S32)から出力ポート同士の結合は-15dB以下と小さいことがわかります。
シミュレーション上では十分な性能が発揮できそうなことがわかったので、設計データをガーバに落とし、基板を発注してみようと思います。
12/31 スミスチャートを追加しました。
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