前回の続きです。
前回は使うコネクタやケースなど、製作のことはあまり考えずに設計を行いましたが、実際に製作することを考えてモデルに修正を加え、再度シミュレーションを行いました。
下の図が修正したモデルです。
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修正を加えたシミュレーションモデル。42.4 x 33.2 x 23 mmのアルミ製の箱を境界条件にしている |
前回との大きな違いは以下の3点です。
これらの変更に伴い、特性がよい周波数が少しずれたので、線路長も変更しています。
このモデルを使ったシミュレーションの結果を以下に示します。
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シミュレーション結果。左軸は透過率、右軸はVSWR |
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シミュレーション結果のスミスチャート |
1.95GHz付近にMCXコネクタ付近で起こるインピーダンスの不連続による特性の乱れがありますが、GPSで使う周波数帯域では十分な性能があります。
シミュレーション結果をもとにEagleでパターンを描き、発注用にガーバーデータを出力しました。
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表面のガーバー出力 |
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裏面のガーバー出力 |
ソルダレジストの誘電率・誘電正接・厚さ等が不明で、特性に与える影響が見積もれないので、表面はパターンむき出しです。
基板厚さなど、基板の製作精度で変化するであろうパラメータを変えながらシミュレーションを行ったところ、10%程度の誤差では大きな特性の変化は起こらないことがわかりました。
このことから、このパターンではインピーダンスコントロールは不要であると考えられるので、基板は
FusionPCBに発注するつもりです。
基板が届き次第部品を取り付け、ネットワークアナライザで特性を測ってみようと思います。
すばらしい!Wilkinson Couplerって自作できるのですね.特性の解析結果,楽しみにしています.
返信削除コメントありがとうございます。
返信削除基板は既に発注したのですが、届くまでには結構な時間がかかりそうです。どこまでシミュレーションに近い結果が出るのか測るのが楽しみです。